出会い?

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電話の相手は「あぁ」と頷?き 『そう、でしたか。すみません、違う番号、だと思います』 返事が返ってくる。 「あー…あの、重ねて申し訳ないんですが、この番号って…」 手帳にある番号と、公衆電話に表示されている番号を見比べる。 …あってるはずだよな? 『…えっと、×××の、〇〇〇〇の、5886 、なんですけど…』 電話の向こうの彼女は、親切に答えてくれる。 …5886? これ、6じゃなくて、0かよ! 手帳に書かれている汚い字。 どうやら0を6と間違えてかけてしまったらしい。 「すみません!!こちらの間違いでした!」 重ねて謝る。 …俺は悪くねぇ。 電話の向こうの彼女は 『いえ、分かって、良かった、です』 ふっと笑ったように感じた。 今度こそ、警戒の色が取れた、柔らかな声。 その後、何度か謝り電話を切って、改めて目的の相手の番号を押しながら。 何故かあの、電話の向こうの声を思い出していた。
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