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御堂の顔を覗きこむ。
色素の薄い髪の間から見える、きらきらの瞳。
うっわぁ、まつげ長いな。
ゆらりと伏せられていた瞳が私を捉えた。
思った以上に顔が近いし綺麗な瞳で、うっと息が詰まる。
けど……これだけは言わないと。
「友達から、お願いします」
「……!!」
自分でいうのもなんだけど、ぱあああって花が咲いたみたいな笑みを浮かべる御堂。
ちょっときゅんとした。
家にいるこん助(犬)みたいだ。
「望月!よろしくな!あ、さっそくだけどメアド交換しよ」
いそいそと携帯を取り出し、私に向けてくる。
私も鞄から携帯を取り出し、赤外線でアドレスを送る。
アドレスが届くと、また嬉しそうに笑う御堂。
そんな御堂を見ていると、余計気になる。
……私のどこを好きになったのか。
でも聞かない。私たちは友達になったのだから。
だからどうか、貴方に私じゃない誰か別の好きな人ができますように。
そう祈りながら、私は過去の私を慰めるのだった――。
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