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「ちなみに、竜二くん」
「はい」
「麗依さんの外泊先について、心当たりのある人はいるかい?」
冷めた珈琲を一口飲んで、カップをソーサーに戻した松ヶ崎が言う。
竜二はカップを持ったまま、頭を捻った。
「正直、分かりません。レイの口から名前を聞く友達や付き合ってるヤツ……
確か、空閑 一馬(くが かずま)って言ったかな。そいつらには、日曜日にルイが電話をかけましたから」
「皆知らない、って言ってたの?」
「はい」
「動物病院の先生は?」
「……はい?」
竜二は、松ヶ崎の言葉に首を傾げた。
動物病院の先生?誰のことだか検討もつかない。
そもそも、何故外泊先にそんな人間があがるのか。
理解できずにいると、松ヶ崎が言った。
「麗依さんの口から、ロイくんがかかったことのある、動物病院の先生の話は、聞いたことがあるかい?」
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