silent night

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silent night

一人真っ白な部屋に佇む。 ルシファー様から頂いた真っ白なミニドレスを身に纏い、ルシファー様を待ち続ける。 ルシファー様は最近私の所へは来てはくれない…。 ベッドの上で膝を抱えて扉を見つめた。 あの男も…あれから現れない。 音も無い、真っ白な部屋で時間だけが過ぎていく気がした。 あの歌…全部は思い出せないけど…切なくなる。 愛していた…愛されてた…。 私もルシファー様と愛し愛されてると思っている。 でも今は不安でいっぱいだ。 あの男が現れてから…自信が無くなっていった。 あの男が私の胸をかき乱す…。 突然扉がノックされた。 ルシファー様が来たと思いベッドから駆け降りた。 が、違った。 扉を開けて入って来たのはルシファー様の従者。 「キョウカ様、急ぎ赤の城へ移動して頂きます!!」 「えっ?」 従者は私の腕を掴むと真っ赤な絨毯の上を走り出した。 「な、何?どうして?」 そして見た事もない扉を次々と開けると、馬車の前で私の腕を離した。 「乗って下さい!さ、早く!」 馬車に無理やり押し込まれた。 馬車の中には数人の女達がいた。 どの女も私と違って衣服を身につけておらず異様な雰囲気の中馬車に揺られた。 女達は皆美しく、悪魔もいれば、人間の女もいた。 「あの…私達はどこへ?」 肌が透き通るように美しい女の悪魔がこちらを見た。 「リリス様がみえるから、私達は隠されるのさ。あんた知らないの?」 「はい…リリス様って…どなたですか?」 「ルシファー様の妻だよ!!」 思わず瞳を見開いた。 ルシファー様には奥様がいたの? あまりの衝撃に口を覆った。 「なんだい?何にも知らないんだね。私達はただの側女(そばめ)だよ。ルシファー様の溢れる性欲を満たす為だけの道具だよ。」 ショックで言葉も出なかった。 やはり愛し愛されては…いなかった。 ただの道具…。 ではあの歌は何なの…? 何故私の胸をかき乱すの? 馬車がガタガタと走り続けていたのに急に大きな揺れと共に止まった。 その大きな揺れで馬車の扉が勝手に開く。 女達は怯え手を握り合っていた。 何故か私だけ怖さが無く、開いた扉から外に出た。 見た事のない景色…。
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