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食堂への移動中、葵ちゃんが転校生の…えーっとなんて名前だっけ?
「2年A組に転校してきた、桐生灯(きりゅうあかり)君です」
あーそうそう。きりゅーあかりちゃんの事を色々と話してくれた。
「…え?」
「はい?」
…なんか今、心読まれたような気がしたけど気のせいか…。
どうやら葵ちゃんとあかりちゃんとやらとのファーストコンタクトは中々にドラマチックだったようで、葵ちゃんの目の輝きがハンパない。
6メートルはあろう、学校の校門を飛び越えて葵ちゃんの目の前に現れた灯ちゃんは、屈託のない笑顔で葵ちゃんに話しかけ、そして友人になったそうだ。
あれ…大丈夫?葵ちゃん、今の話で得られた灯ちゃんの情報は、運動神経がよくて素敵な笑顔って事だけなんだけど、それだけで“こう”なっちゃったの?
「…お前はそんなのが良いのか?」
マッキー言っちゃった!
「ふふ。正輝もきっと一目会えば好きになりますから」
今にもスキップしそうな勢いで食堂へと向かう葵ちゃんに、周りの生徒からの熱い視線が集まってくる。
いつもはもっとオシトヤカなんだけど…そんなに楽しみなのかなぁ。
食堂の扉の前にいた生徒が一礼して、俺たちの為に扉を開いてくれようと動いたのが視界の端に映り、慌てて両耳を塞いだ。
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