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「お前は…今日も親衛隊に手を出しているのか」
「手を出してるなんてヒトギキ悪ぅい。親交を深めて仲良くしてるだけなんだよぉ?ねぇ?」
「は…っはいっ伊織様!」
「…そうか」
なんとも言えない目で俺を見るマッキーににっこり笑って答えてみると、不満そうにぼそっと呟いて目を逸らされちゃったー。
「伊織には、好きに想う相手は居ないのですか?」
「んー?」
ぽつりと呟いた葵ちゃんに首を傾げて聞き返すと、同じ様に首を傾げられた。やだかわいー。
「伊織は沢山の生徒と、その…関係を持っていますが…特別な相手は居ないのかと思いまして」
そんな単語を口にするのも恥ずかしいのか、ぽっとほっぺたを染めた葵ちゃんについつい抱き付きそうになるのを我慢しながら、親衛隊のコたちをぐるりと見渡す。
「俺、みーんな大好きだよぉ?勿論葵ちゃんの事も大好きー!」
「ふわわわわっ!?」
今度こそぎゅーっと抱き付いて、白くてすべすべのほっぺにちゅーすると、更に真っ赤になっておめめがウルウルして泣きそうになる。
「わ…私はそんな話をしているのではありませんっ!」
「えー?」
「貴方が誰かを特別に想うことがあれば、節操のないこの行動がましになるのではないかと…」
「「「きゃああああっ!綿貫様あああっ!」」」
真っ赤になって怒る葵ちゃんに癒されていると、可愛いチワワ君たちの歓声がグラウンドに響いて、俺が今最も聞きたくない不愉快な名前が聞こえてしまった。
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