1 泡の思い出

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「こ、こんにちは彩ママ!」 緊張しすぎて声が裏返って恥ずかしい。 現れた彼のお母さんは、口に軽く手をあて微笑んだ。 「中に入って夏葉ちゃん。寒いでしょう?樹も待ってるわよ」 くるくるした柔らかいパーマが、動く度に彩ママの肩の上でふわりと動く。 上品な仕草の彩ママは私の憧れだ。 「う、ううん。今日はここで良いの……ここで待ってる。樹いる?」 照れながら彩ママを見ると「少し待っててね」と言いながら家の中へと戻って行った。 ……彩ママには気づかれたよね?恥ずかしいけど頑張る。 自分で自分を励まし待っていると、乱暴にドアが開き彼が姿を現した。 「何か用?さっき学校で会っただろ?」 .
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