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黒川は、握り潰すつもりなのかと思うほどアサ子の手を力強く締めた。
「痛ッッ!!」
アサ子は負けず抵抗したが、不意に思いきり腕を引かれ、黒川の胸に顔面から突っ込んだ。
「な……、何するのよ!」
その胸に手を付き、腕を突っ張った。いや、突っ張ろうとした。
黒川の動きの方が早かった。
黒川はアサ子の体をくるりと翻し、そのまま雁字搦めにすると、背後からアサ子の口を封じたのだ。
「ンンッ……!!」
アサ子は凍りついた。
「んーっ……!!」
口元をすっぽり覆うように押し当てられた手は、引き剥がそうとしても外れない。
助けを呼べない。
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