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「ねぇ、もう一人の子は?」
砂浜に着いたアサ子は、木陰で寝そべっていた安島 竜司に近付いた。
「何だよ、また来たのかよ」
安島 竜司は、少し起き上がると鬱陶しそうにアサ子を見上げた。
「火が欲しいって言いに来たんじゃないわよ。8番の姿が見えないんだけど……。どこに行ったの?」
「知らねぇよ。クソだろ。アイツの方が、俺よりキツいみたいだしな」
「あぁ……。いつから居ないの?」
「時計もねぇのに何時間前とか分かるかよ!!」
「え? そんなに前から居ないの?」
「だから知らねぇっつってんだろ! 気分が悪いんだ、寝かせろよ!!」
安島 竜司は、寝返りをうってアサ子に背を向けた。
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