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「あー? 何だぁ、アイツは?」
黒川が、川渕 敦の姿に気付いた。
「し、死んでる……」
アサ子はようやく声を振り絞った。
黒川はかすかに鼻で笑った。
「気の毒なこった。病院にでも行けりゃー、助かったかもしれねぇのになぁ」
そのとおりだ。
本当に死んでしまうとは、思っていなかった。
「お手をどうぞー、お嬢さん」
黒川は腰が抜けたアサ子に手を差し伸べた。
アサ子はその手を取った。
それを払いのけると、後々面倒になる気がしたからだ。
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