第4話

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「ありがとう」 しかし、アサ子が立ち上がった後も黒川が手を離さない。 「な、何なの? 離して!」 力ずくでそれを振り払おうとしたアサ子に、黒川は笑みを浮かべて訊ねた。 「お嬢さんにひとつ聞いておかなきゃーと思った事があるんだ」 「何を?」 よくよく黒川の顔を見れば、笑っているのは口元だけだ。目が笑っていない。 嫌な予感がした。 「アンタ、俺に訊いたよなあ。どんな犯罪かって? お嬢さんは何だい?」 「それが何なのよ。今、そんな事は関係ないでしょ!?」 アサ子は腕を振ってもがいた。
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