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「予定していたイベントですが……」
山田は、胸ポケットから取り出したハンカチで鼻を押さえながら言った。
「中止になりました」
「は?」
「え?」
「聞こえませんでしたか? イベントは中止です」
淡々と語る山田の声は、風邪引きで鼻が詰まった時のような鼻声だ。ふざけている訳じゃないと分かっていても神経を逆撫でされた気分だった。
「あんたが来るのを何時間待ったと思ってんだ。時間の無駄だったって事かよ」
真っ先に盾突いたのは、やはり安島 竜司だ。
「イベントを行う人数が、予定していた人数に満たなかった為です。6日も中止になります」
山田は、迷彩服の男から「終わりました」と報告を受けて頷いた。
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