第5話

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*** 4日目の朝、アサ子は太陽熱蒸留法で水を作っているビニールシートを捲った。 空き缶に貯まった蒸留水は半分にも満たない。 火も海水もあるのだから、大きな鍋でもあれば蒸留水をもっと作れるのに、と思うと器具の便利さを改めて実感する。 初日に支給された飲料水は既に無くなった。 唇は乾き、口を開くと唇が切れた。 それでも熱いと汗をかく。身体中の水分が奪われる。
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