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「きゃぁぁあっ!!」
「ど、どど、どうしたんですか、アサ子さん!?」
5日目の朝。
仰向けになっていびきをかいていた篠山は、咄嗟に飛び起きて辺りを見回した。
昨日の出来事が影響したのか、釣竿を持って魚を釣る夢を見ていたのだが、目が醒めて数秒もしない内に夢の内容はさっぱり忘れた。いや、そんなことよりも……。アサ子が悲鳴をあげている。
――アサ子さんを助けなくちゃ!!
「いや、やめて!!」
アサ子は篠山の声など聞こえていない様子で、近くにあった高さ1mほどの岩に飛び乗った。
「こっちに来ないで!!」
叫ぶアサ子の先に居たのは黒川だった。
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