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「今から記入用紙を渡す。番号順に取りに来て、記入を終えたらこの箱へ入れるように」
ヘリコプターの横で、山田が言った。
今日も空は晴れている。
「……何だそりゃあ。無かっただろ、そんなのは」
黒川は聞こえるか聞こえないかくらいの声で小さく呟いた。
「何が?」
アサ子は黒川を見上げた。
「いや、何でもねぇ……」
黒川はそう言ったが、何でもないという顔はしていなかった。
――無かったって言ったような気がするけど……。
アサ子は首を傾げた。
記入用紙というのは、キャッシュカード程度の小さな紙だった。
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