第7話

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「……まだですか?」 山田にそう言われて、篠山は「え」と顔を上げた。 皆は既に開票待ちの為、一ヶ所に集まっている。 「すす、すみません」 ――えぇい、もうこっちでいいや。 篠山は慌てて記入を済ませた。 「それでは開票する」 山田は箱を軽く振ると、最初の1枚を取り出し、半分に折り畳まれていたそれをペラリと捲った。 ――呼ばれませんように。 アサ子は神に祈るかのように手を組むと、それを唇に押しつけた。 しかし、山田が一番最初に口にしたのは、アサ子の番号だった。 「10番」
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