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「……10」
「え……?」
アサ子は驚きに目を見張った。
「アア、アサ子さん……」
篠山が小さく呟いて狼狽えた。
――うそ……。一体誰が……?
握った手の中は汗でベットリと濡れていた。
アサ子は固く目を閉じた。
「9」
はっとして目を開けた。
――9番に2票……!
私と篠山さんの2票かしら、と一瞬思ったが、どうでも良かった。とりあえず、9番にもう1票入ってほしい。
そう願ったが、期待は裏切られた。
「4」
アサ子は嘆息した。
4は黒川の番号だ。
何故こんなにも票が分散したのかと嫌になった。
アサ子に2票。
服部 司に2票。
次の1票で最後なのだ。
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