第7話

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「……10」 「え……?」 アサ子は驚きに目を見張った。 「アア、アサ子さん……」 篠山が小さく呟いて狼狽えた。 ――うそ……。一体誰が……? 握った手の中は汗でベットリと濡れていた。 アサ子は固く目を閉じた。 「9」 はっとして目を開けた。 ――9番に2票……! 私と篠山さんの2票かしら、と一瞬思ったが、どうでも良かった。とりあえず、9番にもう1票入ってほしい。 そう願ったが、期待は裏切られた。 「4」 アサ子は嘆息した。 4は黒川の番号だ。 何故こんなにも票が分散したのかと嫌になった。 アサ子に2票。 服部 司に2票。 次の1票で最後なのだ。
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