第7話

26/36
前へ
/36ページ
次へ
アサ子は安島 竜司の意見ももっともだと思った。票が同数の場合は、また投票で決めるのかしら、と思っていた時だった。 「どうやら、それを気にする必要は無いみたいです」 山田はそう答えた。 最後の用紙を確認した後だった。 ――ということは……。 アサ子と服部司が目と目を見交わした。 脱落者が決定しているということだ。 山田が手にした用紙には、アサ子か服部 司の番号、9か10の数字が記入されている。 山田はもう一度自分の手の中にある用紙を見下ろした。 真っ白な紙に殴り書きされた文字。 “10” 山田は、その用紙をくしゃりと握り潰し、大きく息を吸い込んだ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加