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机などが何もない砂浜だ。立ったまま手のひらの上でペンを走らせた者が殆んどだった。記入した文字がハッキリと映っていなくても、スローで再生すれば手の動きで何の数字を書いたのかは大体予想がつく。
宮本は、アサ子が記入している映像を出した。
「あ、これは9と書きましたね。缶詰を手に入れ損ねた恨みでしょうかね」
「さあな、理由は分からないが……。これは9番で間違いないな」
佐々木が宮本に答えると、今度は神崎が「おい、こっちを見てくれ。これはどう思う?」と、2番の映像を出した。
2番。住田和也。21歳。
端整な顔立ちをした華奢な青年だ。
「あー、これは……4かな?
2画で書いたな」
佐々木がそう言うと、宮本も「4ですね、これは」と頷いた。
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