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「篠山さん、待たせてごめんなさい。黒川さんを呼んできたから……」
アサ子が篠山に気を取られているうちに、吉田 瞳は消毒液やはさみを片付けて離れていった。
黒川は吉田 瞳の背中を目で追いかけた。
「黒川さん。手伝って!!」
アサ子は大声を上げた。
「何を怒ってんだい」
「怒ってないわよ。篠山さんを早く日陰で休ませてあげたいの」
「……ヤキモチかい?」
「だから、怒ってないって言ったでしょ! ヤキモチなんか妬く筈ないじゃない。私は結婚してるのよ。主人がいるのっ!」
「そんな事ぁ知ってる」
アサ子は、あれ? と思った。
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