第7話

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「篠山さん、待たせてごめんなさい。黒川さんを呼んできたから……」 アサ子が篠山に気を取られているうちに、吉田 瞳は消毒液やはさみを片付けて離れていった。 黒川は吉田 瞳の背中を目で追いかけた。 「黒川さん。手伝って!!」 アサ子は大声を上げた。 「何を怒ってんだい」 「怒ってないわよ。篠山さんを早く日陰で休ませてあげたいの」 「……ヤキモチかい?」 「だから、怒ってないって言ったでしょ! ヤキモチなんか妬く筈ないじゃない。私は結婚してるのよ。主人がいるのっ!」 「そんな事ぁ知ってる」 アサ子は、あれ? と思った。
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