第7話

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「これは……、一本線を書いただけに見えるな。縦に一本ということは1か?」 横から覗き込んだ神崎がそう言うと、宮本が頷いた。 「あ、1っぽいですね。黒川は1番と何かトラブルがありましたっけ?」 佐々木は、また宮本の脱線が始まってしまったか、と思った。 「いや……。トラブルと呼べるほどの接触は無かったと思うが」 と、神崎が答えた。 「やっぱりそうですよね」 宮本は首を傾げつつ「なぜ1番を選んだんでしょうね」と呟いた。 それから数分後の事だった。 「佐々木。10番の番号を書いたのが出たぞ!」 神崎がうわずった声を上げた。 「出たか! 誰が書いた?」 カラカラと椅子を寄せて佐々木が近付くと、宮本もそれにつられるようにして立ち上がった。
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