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「これは……、一本線を書いただけに見えるな。縦に一本ということは1か?」
横から覗き込んだ神崎がそう言うと、宮本が頷いた。
「あ、1っぽいですね。黒川は1番と何かトラブルがありましたっけ?」
佐々木は、また宮本の脱線が始まってしまったか、と思った。
「いや……。トラブルと呼べるほどの接触は無かったと思うが」
と、神崎が答えた。
「やっぱりそうですよね」
宮本は首を傾げつつ「なぜ1番を選んだんでしょうね」と呟いた。
それから数分後の事だった。
「佐々木。10番の番号を書いたのが出たぞ!」
神崎がうわずった声を上げた。
「出たか! 誰が書いた?」
カラカラと椅子を寄せて佐々木が近付くと、宮本もそれにつられるようにして立ち上がった。
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