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安島 竜司は、手で木の根元を掘っていた。
爪の間に土が入った。
汗が大量に流れた。
「クソッ、スコップを取っときゃ良かった……」
息が切れてきた。
それでも掘り続けると、ようやく目当てのものを見つけることが出来た。
何かの幼虫だ。白くてふっくらとした体をだんごむしのように丸めている。
テレビで見た事がある。外国に取材に行ったレポーターが、現地の人からすすめられてカブトムシの幼虫みたいな物を食べていた。
一度は躊躇った。
唾を飲んだ。
目を瞑り、思いきって口に入れた。
「ウッ!」
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