第8話

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*** 「……きゃあぁぁああっ!!」 10日目の早朝。 一人で森に入っていたアサ子は声を張り上げた。 まだ微かに、小雨が降っていた。 「アサ、アサ子さんっ!! なな、何があったんですか!?」 声を聞きつけた篠山は直ぐにアサ子の元へ駆けつけた。アサ子が居た場所は洞窟からさほど離れていなかったのだ。 ポツポツと並んだ木の向こう側から、草を掻き分け近付いてくる篠山と、その後ろに黒川の姿が見えた。 アサ子は、片手で口を覆ったまま指差した。 「うわ、わ、わ!!」 アサ子の指の先に目を向けた篠山は、驚きの余りドスンと尻餅をついた。 「何だぁ、こりゃあ……」 流石の黒川も、怪訝な顔つきを見せた。
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