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突然、篠山が作りかけの筌を置いた。
無言のまま立ち上がった姿には、何かを決心した気配があった。
「篠山さん……?」
「あ……えっと……ちょっと、いいい行かなくちゃ……」
篠山は背を向けると、森へと向かった。
「篠山さんっ……!?」
「何だぁ……? ケンカでもしたのかい?」
篠山と入れ替わるようにして戻ってきた黒川も、篠山の背中を見送りながら首を傾げた。
「……してないわよ」
アサ子は大きなため息を吐いた。
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