episode3 『笑顔のアリバイ』

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「あ、あの、ホームズさん」 声を上げた私に、ホームズさんも皆も「ん?」とこちらに注目した。 「可南子さんのお願い、聞いてあげてもらえませんか?」 「葵さん?」 不思議そうな顔で私を見るホームズさん。 可南子さんと上田さんも驚いたように私を見ていた。 「可南子さんの人生が掛かっているそうなんです」 そう続けるとホームズさんは、苦笑して肩をすくめた。 「ですが、そうしたことは本職ではありませんし」 「ええ、分かっているんですけど、ホームズさんって凄いじゃないですか」 そう言うとホームズさんは、ピタリと動きを止めた。
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