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「いえ、物騒な話とかではないんです。
私の婚約者の浮気の証拠をつかみたいだけなんです」
ギュッと拳を握りしめて、鋭い目を見せる可南子さん。
「……どういうことなんでしょうか？」
ホームズさんが少し身を乗り出した。
今まで、乗り気ではなかったけれど、どうやら興味を惹かれたようだ。
それにしても、婚約者って。
可南子さんは去年の年末に喜助さんと婚約状態だったというのに、もう違う方と婚約しているんだ。
さすが、美人さんは違う。
私が密かに感心する中、可南子さんは、ゆっくりと話し始めた。
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