2.後継者の条件

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「では、なぜ今回、わしが息子や孫を呼び、『自分の目に自信がないならば鑑定士を同行させても良い』という一見風変わりなことを言い出したのか、説明をしたいと思う」 右近さんの言葉に皆も私も、すぐに顔を上げて、視線を合わせる。 主賓席に座る右近さんはテーブルの上で手を組みながら、皆をゆっくりと見回し、応接室に緊張感が走る。 「――ここにいる息子たちは皆、母親が違う。また、その母親の誰ともわしは結婚していない。 お前たちに詳しく伝えたことはないが、薄々気付いているだろう、わしは女嫌いだ。 昔から女嫌いだったわけではなく、その昔、想いを寄せた女学生に手酷い裏切りをされてから、どうも女そのものを憎むようになってしまった。 だからといって、男色というわけでもないのだが……」 突然語られる右近さんのあけすけな話に、私が聞いても良いものかと戸惑いながらも、相槌をうった。
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