0人が本棚に入れています
本棚に追加
私は自室のドアの前にいた。
ステンレス製の銀色のドアノブに手をかけ、開けようとしていた。
時刻はおそらく昼頃だったと思う。
ドアを開けた瞬間、叫び声を上げそうになった。夢の中なので何の声も出なかった。
私の部屋の至る所、ベッドの柵、机、椅子、本棚、あらゆるところに蝶々と小鳥がいた。真っ白な花のようだった。蝶々も小鳥も5匹くらいずついたと思う。
蝶々はモンシロチョウより少し大きいくらいであった。その色は雪のようで、触覚も羽も真っ白であった。ただ目だけが、血のように真っ赤だった。
小鳥も頭から尻尾の羽毛全てが真っ白であった。つぶらな目は黒々としていて、くちばしと足は桃色だった。どうやら白文鳥のようだ。
私の六畳一間の部屋には、窓から白っぽい日の光が差し込んでいた。その光が、部屋にいる白い鳥と蝶をいっそう白く神々しく見せていた。外に追っ払おうとしたが、なぜかかわいそうになってしまってやめた。
なんだか白い生き物たちが眩しい。
そう思った瞬間、私の意識は夢から引き戻され、目が覚めた。
最初のコメントを投稿しよう!