最初は流れ、最後は本望。

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先生「転校生の天使 悠斗(アマツカ ユウト)だ」 天使「…よろしく」 第一印象は関わりたくないやつだった、一匹狼みたいなやつ。 なぜって? なんか近寄らば斬る、みたいな雰囲気してたから。 先生「お前ら、仲良くするんだぞ」 生徒「はぁーい」 元気の良い返事だ。 …主に女子だが。 先生「天使の席は……まぁ、空いてるとこ座っとけ」 先生がだるそうに言う。 生徒1「先生てきとーすぎっしょ!」 先生「あ?…っどくせぇな、あー天使、九条の横座れ」 天使君は先生にこくりとうなずくとこちらに向かって歩いてくる。 …え、俺のとなり…? やだ、こないでぇぇぇぇぇ! 一匹狼とか怖いよ… しかもよく見れば結構美形だ。 女子が喜ぶわけだ。 僕のアホな顔が悪目立ちするじゃないか! そう思っている間に天使君は隣に来ていたようでどかっと腰を下ろすと、僕をじっと見つめてきた。 …こわいよー 天使「…よろしく」 ひょぇぇぇぇぇ。 この人、僕に話しかけてるよ… 九条「よろしくお願いしますぅー…」 なんかテンパり過ぎて変な語尾になった気もするが気にしない。 天使「…名前」 は?名前?どゆことぅ? 天使「…あんたの名前」 あ、名前をおしえろと? そうおっしゃってるのですね、この方は。 九条「あ、えと、僕、九条 真弘(クジョウ マヒロ)って言います…」 天使君があまりにも真剣に見つめてくるので思わず下を向く。 天使「…くくっ」 九条「…はぇ?」 この人今笑った…? そう思いながら横に座る天使君を見る。 天使「…そんなにビビらなくていい…言っても無駄か」 九条「…すいません」 苦笑しながら言われてしまった… 天使「…謝んなくていいし、あと敬語やめろよ」 九条「はい…じゃなくて、うん。」 また苦笑しながら言われたが今度はタメ口で言えた。…はず。 天使「…九条、真弘って呼んでもいいか?」 九条「…へ?」 一瞬何を言われたか理解できずに聞き返してしまう。 天使「…嫌だったらいいんだが」 なぜかとっても落ち込んでいる……ように見える なんか垂れてる耳と尻尾が見えるぞ…? 九条「い、嫌じゃないよっ、うん」 その姿を見かねて否定する。 天使「…本当か?」 あれ?耳がピーンって立って、尻尾をブンブン振ってるぞ…? こいつ、面白いな。 九条「うん、真弘って呼んで。」 天使「…真弘」 九条「うん?」 天使「真弘」 九条「な、なに?」
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