3人が本棚に入れています
本棚に追加
そして天使君はもう一度真弘、と呼んで、はにかんだ。
この人、あんまり怖くないかも…
てゆうか、かわいい…?
いやいや、なに言ってるだ僕!!
同じ男にかわいいなんて…
僕がうんうん唸っていると、後ろから…
先生「九条ー、俺のありがたーい話聞いてねぇとはいい度胸じゃねぇか」
…どうやら天使君話してる間に授業は始まっていたようだ。
そして僕は運悪く当てられてしまったようだ。
なんと不幸な。
先生「九条、放課後居残りな」
Oh…なんと…
なぜ話を聞いていなかっただけで呼ばれなくてはならないのか。
ふと隣の天使君を見ると彼はなんとも気持ちよさそうに寝ていた。
先生「…九条、甘つかも連れてこい」
九条「…はい」
それに気づいたのか先生は天使君も連れてくるようにとおっしゃった。
天使君、一緒に怒られようぜ!
そう思い、隣を見るが彼は爆睡していた。
(´Д`)
先生「お前ら、授業くらいちゃんと聞けよ?」
夕方四時すぎ、先生と僕、天使君以外全員寮に帰った頃。
ちなみにこのいつもダルそうな教師は僕たちの担任、藤崎 桃弥(フジサキ トウヤ)先生だ。
そしてもうひとつ付け加えるとこの学校は男女共学の全寮制高等学校だ。
そして僕は一年生。
今は11月で終わりかけだが。
九条「すいません」
とりあえず、現実に向き合い謝る。
先生「まぁ、それは置いといて」
九条「え、置いとくんですかっ?」
先生「本題はほかにあるからな。…もしかしてお前、授業中答えなかっただけで居残りになると思ったのか」
九条「思いました」
先生「…バカか」
九条「…ですね」
しばらく無言が続き、耐えられなくなった僕が沈黙を破る。
九条「あの、先生それで本題とは?」
先生「あ?…あぁ、それを話す前に…天使、起きろ」
そこではじめて気づいたが天使君は眠っていた。
それはとても気持ちよさそうに。
天使「…」
先生「おい、天使!起きろって」
天使「…ん?」
先生が怒鳴るとようやく起きたようで眠そうな目を擦っている。
先生「…ったく、寝るなよなー」
天使「…」
…今日知ったことなのだが天使君はあまり話さない。
僕には結構話しかけてくれるが、他の…たとえば女子などに話しかけられてもそっけなく返すか、今のように無視するか、なのだ。
先生「誰と話してるのかわかってんのか…?」
九条「それより早く言ってください。僕早く帰りたいです」
先生「お、おぅ、すまんな」
最初のコメントを投稿しよう!