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「儲かってまっか?」
猿くんがローリングで作ってくれた魔法陣から現れた七三分けの頭に眼鏡の男の人は、猛烈な勢いでそろばんを弾き始めた。
うわー、すごいなぁー、指の動きが見えないよ。
「大体、これくらい儲かってまんなら、納めるべき税金はこんなもんでんな」
猿くんが召喚してくれたのは、税理士さんとかいう職種の人らしい。
そんな先生に、因幡の白兎ちゃんがそっと帳簿を手渡す。
「センセ、これ、裏帳簿」
うふっ、と微笑むバニーガールが差し出す帳簿に、税理士さんはキラーンっと眼鏡を光らせる。
そしてそこに書かれた数字に目を通すと、さっきの倍以上のスピードでそろばんを弾き始めた。
「これだけ儲かってまんなら、納めるべき額はこんなもんでんがな」
そしてその指が止まった時には、眼鏡が放つ輝きは何倍にも強くなっていた。
「鬼の兄ぃさん方……
……明らかな、脱税でっせ……?」
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