幕は閉じるが……

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「……で?  結局、あんたんトコのお婆さん、どうなったんね?」  元ボッタクリバー『ONIGASHIMA』のカウンターに腰掛けた猫ちゃんが、手にした鞭を弄びながら問いかけてくる。 「そうよ、桃さま。  桃さまが今話してくれた流れだと、家に帰った桃さまを、若返ったお婆さまが待っていたのでしょう?  お爺さまはどうなっていたの? 知りたいわ」  カウンターの向こうでグラスを磨いていた雉ちゃんも、興味深々という顔をしている。  『ONIGASHIMA』はあの後、SMホテル『CAT&BIRD』と名前を変えた。  どうやら脱税分の支払いができなった鬼さん達は、身ぐるみどころか店まで取られてしまったらしい。  その後経営者に収まったのが、雉ちゃんだった。  鬼退治が終わった後も、次なる(股間の宝刀を用いた)成敗相手を探す旅に出た僕に 『桃さまが帰る場所を作りたいの……っ!!  そして、桃さまにどんなプレイを要求されても答えられるオンナになりたいの……っ!!』 と言ってくれた時は、嬉しかったなぁ。  鬼退治の報償として人間の姿になった時よりも、嬉しかったよ。
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