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「大人の男の人って…すごいな…と思って…。優しくて…頼もしい…」
すると内田さんがクスクス笑う。
「かわいいねえ。月島も罪だねえ、こんなかわいい子が妹だなんて。…だけどひかるちゃん、大人の男がみんなこうだとは限らないからね?」
間近で私の顔を覗き込む内田さんからの視線に耐えられず、その向こうのあっくんを見る。
「…そういうこと。ひかるの怖いところは人を疑わないところ。…この内田さんだって、そうそう安全とは言えねえし」
今度は少し距離の空いた内田さんを見る。
「まあ、そういうこと。この優しさの影には大きな下心が渦巻いている…」
内田さんはあっくんの言葉を否定するどころか、自分で肯定して、私に向かって人差し指でグルグルと小さな円を何度も描いた。
「内田さん、マジでよして下さいよ。まだまだ子供なんですから」
あっくんが言うと内田さんは指先の動きを止めた。
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