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…いろんな…経験…
想像するのはたった一つ。
俺はそれを振り払いながら内田さんへ気付かせようと持っていた食器を手荒く扱い、ガシャリと音を立てた。
「…例えそうであっても、俺にとってはまだまだ…」
…子供…
「お前にとってはだろ?俺から見れば【いい女】。ま、もともとお前とは女の趣味はかぶらねえから、安心だな」
俺のイライラが限界に達しそうになるのを見計らってか、内田さんはやっと席を立った。
「…変身後のひかるちゃんも見たかったけど。このままいると、俺、殺されそうだから」
内田さんに、何かを見透かされ、
俺までもが子供扱いされたことにどうしようもなく腹を立てながら
大人になりきれない自分にも苛立っていた。
内田さんは玄関を出る間際、俺をバカにしたように笑った。
「お前って、ややこしい奴」
ドアがガチャリと閉まった。
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