1680人が本棚に入れています
本棚に追加
ひかるの電話の様子が気になって声を掛ける。
「ひかる…どうかしたか?」
ひかるは首を横に振った。
「…お兄ちゃんから」
「芳樹から?」
「…うん」
「いい歳して兄妹(キョウダイ)喧嘩か?」
「…喧嘩にもならない。お兄ちゃんが一方的に変なこと言うから…」
「変なこと?」
「…何でもないの。あっくん、ごめんね。早く選ばなくちゃ。冷蔵庫はこれがいいかなと思うんだけど」
ひかるはスマホをバッグに投げ入れるように仕舞って、カラダを翻(ヒルガエ)した。
芳樹は今の電話でひかるが俺と一緒にいることを聞いたんだろう。
そして、その理由も。
芳樹にとっちゃあ…
…おもしろくねえだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!