準備中の事件

10/34
前へ
/34ページ
次へ
部屋の中に転がるいくつもの買い物袋と紙袋。 今朝まで何もなかった部屋にモノが揃い始める。 今日選んだ家具たちがそこに並ぶのを、私は容易に想像できた。 私は心を弾ませたまま部屋をグルグルと見回し、視線を玄関に戻した。 …あれ? びっくりしたと言うより、不思議だった。 あっくんは今出て行ったばかりなのに、またすぐに戻って来た。 「…あっくん…?どうしたの…」 言いながら、顔が強張った。 カラダも動けなくなった。 玄関に立っているのは あっくんではなかった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1088人が本棚に入れています
本棚に追加