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ひかるを寝かせたままにして、先に荷物を運ぼうと思って静かにドアを開けた。
けれど、ひかるはその音で目を覚ましてしまった。
「あれ…あっくん、ここ…」
ひかるは重たい瞼を懸命に持ち上げている。
「アパート、着いたぞ」
俺が言うと、さらに必死になって目を見開く。
「…うそ…。ごめん、寝ちゃった」
「疲れたんだろ。俺が荷物運ぶからひかるはもう少し休んでろ」
俺がそう言って運転席のドアを開けると、ひかるもすぐ後に続いて助手席のドアを開けた。
「ううん、私もやる」
「…なら、二人でちゃちゃっと済ませるか」
「うん!」
ひかるは小学生みたいな返事をして荷物を抱えた。
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