準備中の事件

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鍵を開けて荷物と一緒に中に入る。 クリーニングしたての閉め切った空間は独特の匂いが込めていた。 「電気、電気…」 ひかるが外からの明かりを頼りに電気のスイッチを手探りで探す。 「…あった」 ひかるの声と同時にパチッという音が聞こえたが、部屋の中は暗いまま。 「ひかる、それ、電気か?」 「…うん。そうだと思うけど…」 俺は玄関の外に荷物を置いてひかると代わった。 カチカチと何度も切り替えるが照明は反応しない。 「おっかしいな…」 部屋の照明は備え付けだ。 朝は明るかったから確認しなかったけど… 「電球が切れてんのか?」 可能性はそれだけだ。 アパートの他の部屋では電気が点いてる。 「マジかよ…」
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