1088人が本棚に入れています
本棚に追加
鍵を開けて荷物と一緒に中に入る。
クリーニングしたての閉め切った空間は独特の匂いが込めていた。
「電気、電気…」
ひかるが外からの明かりを頼りに電気のスイッチを手探りで探す。
「…あった」
ひかるの声と同時にパチッという音が聞こえたが、部屋の中は暗いまま。
「ひかる、それ、電気か?」
「…うん。そうだと思うけど…」
俺は玄関の外に荷物を置いてひかると代わった。
カチカチと何度も切り替えるが照明は反応しない。
「おっかしいな…」
部屋の照明は備え付けだ。
朝は明るかったから確認しなかったけど…
「電球が切れてんのか?」
可能性はそれだけだ。
アパートの他の部屋では電気が点いてる。
「マジかよ…」
最初のコメントを投稿しよう!