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すると、あっくんが立ち上がる。
「電気屋、すぐそこにちいせえ店があるから買ってくる。ひかるは少し休んでろ」
「うん、わかった。空気入れ替えとくね」
「その方がいいな」
あっくは玄関を出て行こうとする間際に振り返る。
「ひかる…暗くて怖くないか?」
あっくんはいたずらっぽく笑った。
「怖いわけないでしょ!」
あっくんは笑いながらアパートの階段を下りていった。
玄関を開けたままにしておくと、外の街灯が部屋にわずかな明かりを分けてくれる。
私はその明かりを頼りに窓とサッシの雨戸をあけて、部屋の中の空気を入れ替えた。
玄関も開けているので部屋には風の通り道ができ、涼しい風が部屋を横切る。
私は深呼吸をしてから部屋の中を見渡した。
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