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…パタン。
玄関のドアを閉めて、私はしっかりと鍵をかけた。
あっくんの言いつけなので守らなければならない。
私はキッチンに戻って片付けを済ますと、夜のうちに乾燥までさせた洗濯物を畳み、掃除機をかけた。
トイレもお風呂も掃除して、あっくんのシャツにアイロンをかける。
あっくんのシャツは水色が多い。それがあっくんにはよく似合っていた。
それから帰りの電車の時刻を確認して、マンションを出るまで冷蔵庫の余った食材でチャーハンを作って冷蔵庫に仕舞った。
こんなに長居をするつもりはなかったのに…
久しぶりに会ったあっくんは
やっぱりあっくんで
少し甘え過ぎてしまった。
掃除をして綺麗になった部屋を見渡して、大きく深呼吸をする。
あっくんと…ここで。
私の最初の意思とは違うけれど
なんだか最初から…
こうなることになっていたかのようだった。
家に帰って父や母と相談して、その後…引っ越し。
私の新しい生活が
始まろうとしていた…
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