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その時、炊飯器のアラームがキッチンから流れてきた。
飯が炊けたんだ。
俺は構わず口を開いた。
そうしなければいられなかった。
「ひかる、それ、どういう意味だよ?」
ひかるは俺の言葉にハッとしたように視線を逸らした。
「…何でも…ないの。ごめんね。私、変なこと言っちゃった…」
ひかるはそう言って、寒くもないのに両腕をさすった。
「何でもないって…ひかる…何かあったのか…?」
ひかるは激しく首を横に振った。
「何でもないの、本当に。ごめんね。…ご飯炊けたよね、カレーも仕上げなきゃ」
ひかるが腕をさすったまま出て行こうとするので俺は咄嗟にその腕を掴んだ。
「ひかる!」
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