遠回り

14/33
前へ
/33ページ
次へ
「ひかる、俺だ!しっかりしろ!」 俺がひかるの両頬を手のひらで包んでやると、ひかるが俺と目を合せて …大粒の涙を零した。 涙は俺の指を濡らしていた。 ひかるの顎ががくがくと震えていた。 俺はゆっくりとひかるとの距離を縮めた。 ゆっくりと焦らずに… そして、やっとのことで俺の腕の中にしっかりと入れた。 ひかるにとって 『あっくん』は… 【男】であってはならないのかもしれない。 ひかるが俺に求めているのは 【男】ではない『あっくん』… 頼りになって 何でも教えてくれて 導いてくれる 『あっくん』 ああ… 俺、 もう少しで 自分の役割 間違えるとこだったぜ…
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1100人が本棚に入れています
本棚に追加