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「あっくん、疲れたでしょ?すぐに作るから待っててね」
ひかるはそう言ってキッチンで買い物袋から玉ねぎを取り出した。
「ひかるこそ疲れただろ?外で食べればよかったな」
「大丈夫。あっくんも家の方がゆっくりできるでしょ?」
「ん、ワリーな。今のうちに秀子さんには連絡しとかねえと」
俺はスマホを取り出して電話をかけた。
数回のコール音の後、電話に出たのは…
『ちょっと、暁人、ひかるちゃんは?』
…お袋だった。
「…って、何してんだよ?」
俺が掛けたのは間違いなくひかるの母親だ。
『だってぇ、今日は俊夫さん接待で夕飯はいらないんですって。だから秀子さんと夕飯作って、ひかるちゃんと三人で暁人の様子でも聞こうと思って待ってるのに』
ひかるの父親の留守をいいことに、お袋のヤツ、やりたい放題だな…
「…ああ、そのことなんだけど…」
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