遠回り

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けれど、ひかるはすぐに寝室から出てきた。 「ひかる、どうした?」 「あっくん…掛け布団て…もう一つないかな?」 「掛け布団て…ベッドにあるだろ?」 「…私…今日はこっちで」 ひかるがソファを指さした。 「…何で?」 「あっくん、昨日もこっちだったし、明日は仕事なんだからちゃんとベッドで寝てもらわないと」 「バーカ。そんな気は遣わんでよろしい。ワリーけど布団は一つしかねーんだよ。それが理由で人が泊まるのも断ってたしな」 「ウソ…。あ、だから昨日、あっくん何も掛けてなかったの?」 「あ、いや…タオルケットか毛布はあるはずだ。出すのが面倒だっただけ」 「ひかるは気にしなくていいからベッドで寝ろ。今日はちゃんと出して寝るから」 「…私がソファ…」 「ダメだ。おやすみ、ひかる。俺ももう少しやったら寝るから」 「…毛布…ちゃんと出してね。おやすみ、あっくん」 「ん、おやすみ」 ひかるは俺を心配しながらも寝室へ入った。
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