遠回り

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「秀子さん、ちゃんと許してくれたか?」 「うん。何かいいことでもあったのか、すごく機嫌がよかったよ?」 ひかるは野菜を切っている途中で俺を振り返った。 「節子おばさんは?何か言ってた?」 「…いや、なんにも」 「そっか」 ひかるは俺に背中を向けて、まな板の上でトントンと軽快な音を立て始めた。 ひかるの後姿を見つめる。 …ひかるとどうにかなっても… …秀子さんの許可はとってある… …赤ちゃん… 「…って、アホか」 「え?」 俺のツッコミにひかるが包丁を持ったまま振り返る。 「いや、何でもねえ。ワリイ、ちょっと仕事の電話するな」 「うん」 俺はデスクに移って資料を取り出し、明日からの段取りを始めることにした。
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