1099人が本棚に入れています
本棚に追加
「秀子さん、ちゃんと許してくれたか?」
「うん。何かいいことでもあったのか、すごく機嫌がよかったよ?」
ひかるは野菜を切っている途中で俺を振り返った。
「節子おばさんは?何か言ってた?」
「…いや、なんにも」
「そっか」
ひかるは俺に背中を向けて、まな板の上でトントンと軽快な音を立て始めた。
ひかるの後姿を見つめる。
…ひかるとどうにかなっても…
…秀子さんの許可はとってある…
…赤ちゃん…
「…って、アホか」
「え?」
俺のツッコミにひかるが包丁を持ったまま振り返る。
「いや、何でもねえ。ワリイ、ちょっと仕事の電話するな」
「うん」
俺はデスクに移って資料を取り出し、明日からの段取りを始めることにした。
最初のコメントを投稿しよう!