遠回り

7/33
前へ
/33ページ
次へ
俺が仕事にかかってしばらくすると、ひかるがキッチンから離れて動き出す。 「ひかる、どうかしたか?」 「ううん、カレー煮込んでる間に掃除と洗濯。ご飯が炊けるまでにも時間があるし。今日も泊めてもらうんだもん、少しはさせて」 「別にいいけど、手が空いてるならひかるの部屋、見とくか?」 「…私の?」 「今は物置」 「うん、見たい!」 ひかるが部屋の中でパタパタ動き回り、一段落すると、俺たちは例の物置へ向かった。 「狭い部屋だけど、とりあえず寝れればいいだろ?」 俺がそう言ってドアを開けると、ひかるは俺の腕をすり抜けるように中に入った。 「すごい!全然狭くないよ!」 「そうか?せめーよ」 「ううん、少し片付ければ大丈夫だよ」 ひかるがそう言いながら部屋に積まれた段ボールの中身を覗いた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1099人が本棚に入れています
本棚に追加