新生活ー2

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「バーカ。ひかるちゃんが入れればドリップにも勝(マサ)るんだよ」 「そうすか」 「そうなんだよ」 内田さんは上機嫌でコーヒーをすすった。 「あ、ひかるちゃんも一緒に飲もうよ。あ、ケーキでも買ってくりゃよかったか」 内田さんは機嫌がよくなるとよくしゃべる。 本当に何を考えているかわからない男だ。 あの日のアパートでの出来事なんて、まるでなかったかのようなこの振る舞い。 まあ… 彼にとってはきっと何でもねえことなんだろう。 確かに… 内田さんの周りの女に比べたら、それこそひかるは子供だろうから。 その後、内田さんは何とかこの部屋にとどまろうとあの手、この手で仕掛けてきたが、俺は素っ気なく追い返した。 俺も強くなったもんだ。 相手は仕事をくれるいわば取引先だというのに。 …ひかるへの…キス 俺は案外根にもつタイプらしい。
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