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「バーカ。ひかるちゃんが入れればドリップにも勝(マサ)るんだよ」
「そうすか」
「そうなんだよ」
内田さんは上機嫌でコーヒーをすすった。
「あ、ひかるちゃんも一緒に飲もうよ。あ、ケーキでも買ってくりゃよかったか」
内田さんは機嫌がよくなるとよくしゃべる。
本当に何を考えているかわからない男だ。
あの日のアパートでの出来事なんて、まるでなかったかのようなこの振る舞い。
まあ…
彼にとってはきっと何でもねえことなんだろう。
確かに…
内田さんの周りの女に比べたら、それこそひかるは子供だろうから。
その後、内田さんは何とかこの部屋にとどまろうとあの手、この手で仕掛けてきたが、俺は素っ気なく追い返した。
俺も強くなったもんだ。
相手は仕事をくれるいわば取引先だというのに。
…ひかるへの…キス
俺は案外根にもつタイプらしい。
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