新生活ー2

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…いかん。いかん。 「別にねえよ」 俺はそう言ったのに、ひかるは聞いていなかったのか、俺の肩に手を置いて耳のすぐ横で言った。 「ねえ、あっくん。ここに寝てみて」 「…は?」 「あっくん、たぶん自分が思ってるより、凝り性だよ。肩もだけど、背中も腰も、マッサージしてあげる」 「そんなに凝ってねえよ」 俺は肩をぐるぐる回して言った。 「自覚症状があんまりない人もいるの。早く寝て」 ひかるはなんだか知らねえが真面目に言った。 「…うるさいな。お袋みてえだな…」 俺はぶつぶつ言いながら、仕方なくうつ伏せに寝そべった。 …顔を横に逸(ソ)らした。 ひかるのベッドには 日が浅いのに もう… ひかるの匂いが染みている気がしたから。
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