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「高校の時のテニス部。合宿とか遠征では結構本格的にやったんだよ?」
話しながらもひかるの手の力は緩まない。
「…もしかして、男子にも?」
「…しないよ。あっくん、私、女子高だよ」
「ああ…そっか。大学は?サークルとかそんなの、いろいろあるだろ?」
「…うん…。少しだけ…したけど、すぐ辞めちゃった」
「ふーん。何で?」
「…なんとなく…つまらなくなっちゃって…」
ひかるの声のトーンが落ちていくのを、もっと早くに気付けばよかった。
『つまらなくなった』なんて、ひかるが口にするには違和感のありすぎる理由だった。
わずかに会話が途切れている間に、ひかるの手はどんどんと下へ移動し、それに伴って、ひかるの座る位置も下がっていく。
ひかるが俺に跨(マタガ)る…
改めてそんな風に思うと、そろそろ限界も近かった。
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