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「…そうか」
俺は開いていた絵本を丁寧に閉じた。
俺が…
触れてはいけない気がした。
ひかるが本棚に古い絵本をきれいに並べる。
そして、再び段ボールの中に手を伸ばしたひかるが小さく声を漏らした。
「…あ」
ひかるがくたびれたらくがき帳を取り出した。
ひかるはぺらぺらと数ページめくると、あるページで手を止めた。
そして、悲しげに小さく笑って、俺に開いたページを見えるように掲げた。
「あの頃から…夢みてたのかな」
字は上手く書けていない。
それでもわかった。
二人の男の子に挟まれた小さな女の子。
満面の笑みで笑うのは
きっと
俺とひかると…芳樹だった。
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